2022年6月16日、ついにIE-InternetExploler-が終了しました。
Microsoft社からもう使わないでね、という話は数年前からあった記憶がありますが、ユーザーの声を聞いて?ずっと延期されていたような気がします。長い戦いが、本当に終わったんですね…
Web制作やWebシステムでIE対応をしなければならなかった方々は、一旦は安心されたのではないでしょうか。これから「動かなくなったから急いで対応しなければならなくて」のシステム改修作業が始まるか、既に始まっているのかなと想像します。
自治体系は本当にIEを愛している印象が強いので、自治体界隈を相手にしている企業は大変だろうなと思っています。
大変なことが簡単に想像できる反面、随分前からIEしか動かないシステムのリニューアルの入札案件があってそこに商機があったかな。
IE終了当日、歴史になりそうなニュースが…
さて、終了当日の2022年6月16日、早くもニュースになっていましたね。
“インターネットエクスプローラー”今月16日でサポート終了…約27年の歴史に幕 業務システムの更新など対応に追われる企業や行政機関も…| TBS NEWS DIG
「対応に追われる」とは。
事 前 対 応 で き た は ず よ ね?
この件についてはちゃんと予告されているし、何年も前からわかっていたことだから、その間に予算とって対応しておいたらそれでよかったのよ!?と思います。しかも調布市職員さん、東京都でそのレベルですか。どこぞの田舎ならまだしも…いや、これは反対に、町村の方が規模が小さい分対応しやすいなどがある話?
いずれにせよ、日付が変わったらいきなりサポート終了しました!と勝手に終わるような夜逃げではなかったので、対応時間は十分にあったので、同情の余地はないかなと思っています。
思い出話
ここからは私の思い出話です。
私自身は開発者やテスト担当として触っていたのは2014年前後までだったと思います。当時はまだ新人だったので、経験も少なく勘も働かず、本当に大変でした…。最近は話に聞くだけでした。幸運です。
Windows8が出たころの地獄
調べてみたら、Windows8は2012年10月頃からだったようですね。このとき、試験がとても大変だったのを覚えています。
それこそIEでしか動かないシステム(自治体向け、且つ当時はIEのみで動作すればよかった)で、IEのバージョンが上がるにつれてIE6だとjavascriptが動かない、IE6に合わせるとIE8だと動かない、などと問題が山積みだった頃。
こんな対応地獄に、Windows8がぶち込まれました。
確かIE11かIE10?Windows7のIE11とWindows8のIE11で挙動が違う、という問題が発生しました。
同じIE11じゃないのか。違うのか君たちは。同じMicrosoft製品ではないのか?
…と色々ありましたが、若かりし頃の私は同じ系列のOSでもバージョンが違うと動作が変わってしまうことがある、と大切なことを学びました。そして同時に、IEは敵だと認識しました。
予想しないトラブルをこれでもかと持ってくる敵…確認してから客先環境で「動かない」と言われて、ご指摘の操作をしても再現しなくて困り果て、むしろどういう操作をしたら動かないんだろうかを探す作業をしたり…結局再現しなくてお蔵入りになることも…
敵と認識してからは、家のパソコンのブラウザのIEショートカットをデスクトップから削除し、FireFoxにしました。
ガラケー対応も大変だった
当時はまだスマホがそこまで普及しておらず、私自身もガラケーを使っていました。
iPhoneにしたいならsoftbank一択!でも通信状況がすごく悪い!またつながらない!と聞くことが日常茶飯事の時代。スマホ対応よりもガラケーの対応をしていました。
ガラケーの何が大変なのかというと、PC版と完全に別の静的ページを作って、アクセスを振り分けないとならないところでした。jsは使えないし、凝った表示はできないから、ただのHTMLページを専用で。それも主要三大キャリア対応。auで動きdocomoで表示できない、同じキャリアでも端末によって表示が違うなどザラでした。
表記の崩れがあっても閲覧できればまだいい、画像が表示できないのはちょっとまずい、真っ白になるのが最悪でした。
端末動作確認が死ぬ。今はこれと同じことをスマホアプリ開発者がやっているんですよね…端末動作確認は逝ける…
今(2022年6月)はもうガラケー対応は死んでる…よね?
互換表示モードの地獄
IEはバージョンによって異なる動作をする仕様なので、新しい物が出ると旧版の仕様でも動作するように「互換表示モード」というものがありました。IE10だけど互換モードにすると動くこともあり、急場しのぎに使われることも多くありました。
ですがやはりそこは「互換モード」。完全に問題がなくなるわけではなく、「互換モードにしたけれど動かない」問題はありました。
それもIE11の互換モードでは動くけれど、IE10の互換モードでは動かない、なんてことも!
これ以上試験パターン増やすなーーー!!!と思ってました。
それにこれらに全部対応するのは時間があっても難しい、というかやりたくないですね!
※対応及び確認内容が膨大になるので、互換モードの検証はそこそこで終わらせて後の不具合(?)は諦めることになったと思います。
IE6対応の地獄(世はWindows8)
Windows8時点でIE11。それでもIE6の対応を要求されることがありました。理由は「使っているPCがIE6だから」。
当時から「使うのやめてください」と何度願ったことか。世の中11なのになんで5世代前のものをなぜ使うのか。
その理由はOSがWindows2000辺りでアップグレードできないから…だったような(うろ覚え)
それならパソコンをグレードアップしてください!会社から予算をとってきて!世の中Windows8になってるよー!(※当時)
コーディングIE対応地獄(聞いていた話)
世の中にスマートフォンが増えて、少しずつレスポンシブ対応込み案件が増えてきていたくらいの時の話。
「PCとスマホの両方のデザインを満たすようにコーディングするのが大変!」
「特にIEも込みにすると本当大変、float地獄になってしまう…次に触るときの地獄を生み出してしまう…」
職場にコーディング専門部隊がいまして、彼らからたまに聞いていました。
IE対応の遺産地獄-CSS
さすがにIE対応はもうしません!の流れになってきていた世の中の頃(もちろん生きてはいる)
コーディングではflexbox使うのも当たり前、bootstrapなんて便利なCSSデフォルトアイテムも出てきた頃。
「サイトの一部を変更するんだけど、floatが変なところにあるから、新旧両方を叶える書き方が難しくて困る」
「修正しようとするとfloatが変な適用されてボックスがどこかに飛んでいく(大体画面の右か左に飛だったかな
「!important地獄になってる!」(理由はわからないけれどよく聞きました、たぶんこの辺りの話の結果…ではないかと→!importantはieでは実装に不備)
今動いているものを改修するときは、既存のものを破壊するわけにはいかないので、昔の物を受け入れながら新しい物を入れないとなりません。
そのため、世の中がIEwwwみたくなっていても、現場では古い書き方のCSSと戦うことも多くなりました。
今後も古いサイトはソースコードからの完全リニューアルでもしない限り、しばらくは遺産引き継ぎによる問題が続きそうです…。
まとめ
IE、InternetExplolerの思い出を書きました。供養できたかな。IEもずいぶんと長い間、お疲れさまでした。
最後の砦、「EdgeのIEモード」が終了したら本当の本当に終わりですね。